京都旅行は空き時間もムダにしない 歩いて行ける駅近の世界遺産ふたつ ~東寺編~

京都旅行は空き時間もムダにしない 歩いて行ける駅近の世界遺産ふたつ ~東寺編~

冨岡 ちづこ

21.11.12

冨岡 ちづこ

新幹線や高速バスの出発時刻やホテルのチェックイン待ちなど、"京都駅での空き時間"に世界遺産を訪れてみませんか? 今回は京都駅から歩いて約15分で行ける二つの世界遺産を短時間で楽しむことをポイントにご案内します。
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1200年余り都を守るパワースポット、東寺

まずは京都駅の南側にある東寺をご紹介します。
新幹線のりばがある八条口から15分、イオンモールを目印に東寺道を目指して歩けば、たった2回、道を曲がるだけで東門に到着します。
正式名称は教王護国寺。796年、空海によって建立されました。

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門をくぐると広々とした空間が広がります。お守りや記念品が並ぶ建物に拝観受付の窓口があるので「講堂と金堂」に入れるチケットを買いましょう。もし時間に余裕があるなら、東寺塔頭の観智院もセットになったチケットを購入するのも良いでしょう。

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東寺といえば五重塔ですよね。新幹線の窓から京都タワーあるいは五重塔が見えると「京都に帰ってきたー」とホッとするのは京都人あるあるです。

現存する木造の塔として日本一の高さの五重塔は、春と秋の特別期間以外は内部非公開ですので、庭園を散策しながらベストフォトスポットを探してみてください。

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総高約55メートル、上層に向かうにつれて少しずつ小さくなる比率が絶妙で、遠くから見ても堂々としている安定感はもちろんですが、近寄ってみると細部のつくりにまた見入ってしまいます。

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そして本堂である金堂。東寺のなかで最初に着工され、現在の建物は1603年当時のものになります。
迫力あるご本尊、薬師如来の右に日光菩薩、左に月光菩薩が安置されています。薬師如来が鎮座する台座には小さな十二神将がぐるりと取り囲んでいるので見逃さないでくださいね。

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金堂のとなりにあるのが1491年に再興された講堂。こちらが私のイチオシです。
ところで皆さま、『曼荼羅(まんだら)』をご存知でしょうか? 
インドから伝わった、仏さまの世界が細やかに描かれた絵を、お寺めぐりをしていると目にしたことがあるかもしれません。東寺の講堂では、その曼荼羅を仏像で立体的にあらわした、その名も"立体曼荼羅"を見ることができます。

静かに中へ入ると、そこは密教の世界、異質な空間が広がります。
安置されている21体の仏像のうち16体が国宝に指定されており、中央には宇宙の根源とされる大日如来を中心にした五智如来。アイドルグループにたとえるなら不動のセンターです。
右側に菩薩チーム、その慈悲深いまなざしとは対照的に左側には睨みをきかせる明王チーム。そして両端には天部がボディガードのようにクールな表情で並んでいます。
おだやかに包みこまれるような菩薩像、厳しく律してくれるような明王像、あるいは大日如来像の前では人間の小さな存在を思い知らされるかもしれません。

その時の心のコンディションによって仏像の印象は変わってくるのではないでしょうか。
東寺の境内の中心に位置するこの講堂を、"最強のパワースポット"と呼ぶ人もいるようですが、中に入るとその理由がわかる気がします。

ちなみにこの日、金剛波羅蜜多菩薩像はお修理中でご不在でした。
仏像や襖絵など目的をもって訪れても、国内外の展覧会などに借りだされて見られないことが多いのは京都の寺宝の性です。

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食堂(じきどう)でいただける御朱印はお好きな仏さまを選べます。私は空海の御朱印をお願いしました。
東寺では毎月21日に「弘法さん」と呼ばれる京都最大級のフリーマーケットが行われ、手作りのアクセサリーや古い着物、アンティークの器などを探すのが私の楽しみです。チャンスがあればぜひゆっくり訪れていただきたいのですが、緊急事態宣言中の開催については確認してくださいね。

余談ですが、京都人は「弘法さんが晴れやったら、天神さんは雨や」なんて言います。これは京都の二大骨董市とされている北野天満宮の天神市が毎月25日に行われるので、4,5日で変化するお天気のサイクルを現しています。

東寺

今回のご紹介はここまで。
次回は東寺から歩いて15分ほどの距離にある西本願寺をご案内します。

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