京都の夏の必需品・京扇子 花街のひとつ宮川町に程近い、隠れた名店でさがす逸品!

京都の夏の必需品・京扇子 花街のひとつ宮川町に程近い、隠れた名店でさがす逸品!

勝見 優子

21.06.20

勝見 優子

四方を山に囲まれた京都は夏の暑さでも有名です。じっとしていても汗がにじむそんな真夏の京都の必需品が扇子です。今日はちょっとした贈り物にもぴったり、そして自分用にもついつい毎年買い足したくなる、京扇子のお店をご紹介します。

1000年の都、京都で生まれ育った伝統工芸品を現代の生活に

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京扇子は平安時代の初期に起源をもち天皇家や公家の儀式用として使われていたと言われています。京都では能や茶道、香道の発展とともに技術や芸術性が高められ現在に至っています。ひとくちに「京扇子」といっても日本舞踊に使う舞扇、室内装飾用の飾り扇から普段使いのものまで用途も様々で、素材や色、柄も多岐にわたっています。そんな京扇子を工房併設の店舗で気軽に購入できるのが、「扇や 半げしょう」です。
京阪電車「清水五条駅」、または京都市営バス「河原町五条」のバス停から徒歩約5分。静かな住宅街のなかにある店舗には隣接する工房でつくられた京扇子がところ狭しと並べられています。

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浮世絵をモチーフにした男性用扇子。扇子を開いたときのインパクト大!ですね。

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店名にもなっている半夏生の柄。繊細なデザインが女性好み。

個性あふれるデザインの数々とご主人の人柄の良さに触れる

半げしょうさんの扇子の価格は柄や素材、仕様によって様々ですが、3,000円台が中心です。どれにしようか迷っても大丈夫。店主の西野さんが優しくアドバイスして下さいます。扇子の絵柄には塗料に漆を使ったものや、伝統的な柄を現代風にアレンジしたものなど、西野さんのアイデアと感性が込められています。

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明治時代後期から続く工房で製作された扇子を直接お客様にお届けしたいと宮川町近くにショールームを構えた西野さん。時代に沿った新しい製品の開発にも力をいれていらっしゃいます。

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疫病退散!アマビエ入りのデザインも新しく作りました。

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宮川町にある文具店「裏具」とのコラボでできた新製品には裏面に抗菌作用のある漆喰加工を施しました。このシリーズは「半げしょう」のみでの販売です。

江戸時代から伝わる遊び、投扇興を体験してみる

「半げしょう」では店舗の奥にあるお座敷で投扇興を体験する事が出来ます。投扇興とは江戸時代に京都からおこり大流行したとされる遊びで、木箱の上に置かれたイチョウのかたちをした的をめがけて扇を投げ、扇と的の落下した形によって点数を競うものです。西野さん親子が独自に考えて作った点数表を用いてゆったり、手軽に楽しむことができます。

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力を入れ過ぎても抜きすぎてもうまく的に当たりません。木箱のうえに扇を乗せるつもりで、、と西野さん。

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27種類ある的と扇の倒れ方。源氏物語から名前が付けられています。京都らしいみやびな遊びです。

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投扇興体験コースは要予約で2名以上から。事前に申込めば、近くの花街、宮川町の舞妓さんと一緒に投扇興を楽しめて、京都ならではの時間を過ごす事が出来ます。

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一本の扇子から伝わる京都の伝統と職人の技

京扇子は「87回職人の手を通る」ともいわれ、その工程は細かく何十にも分けられ、完全分業制でつくられます。時代は移り、日本人の生活様式も変化しましたが、京扇子の基本的な製法は昔のまま。それぞれの工程の職人が誇りと責任をもって仕上げ次の職人につなぎ、最後にそれが一本の扇子となって世に送り出されます。今年の夏は、職人の技に思いを馳せながら涼をとってみてはいかがですか。

扇や・半げしょう

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