冬の祇園散策は、九条ねぎたっぷりのおうどんで温まろ

冬の祇園散策は、九条ねぎたっぷりのおうどんで温まろ

冨岡 ちづこ

22.02.14

冨岡 ちづこ

三方を山に囲まれた京都の冬は「底冷え」と言い表され、冬の京都観光では足のうらから全身に沁みわたる冷気を感じながら歩くこともしばしば。

そんな旅の道中におすすめしたいのが、温かいうどんです。
京都のうどんには讃岐うどんのようなコシの強さは感じられませんが、おだしはやはり際立って美味しいと断言できます。
街なかのうどん屋さんやお蕎麦屋さんで黄金色のおだしをすすると、ユネスコ無形文化遺産に数えられる"和食"の真髄に触れたような...大げさですが感じずにはいられません。

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祇園には人気のうどん屋さんが多く、こちらの萬屋も裏通りにありながら観光客の方が並ばれているのをよく見かけます。
ご老齢の店主が営まれる小さなお店ですが、ミシュランガイドのビブグルマンにも選ばれている実力店なのです。

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萬屋でもっとも有名なのが「ねぎうどん」ですが、凍えそうに寒い日には「ねぎあんかけ」がおすすめです。
あんでアツアツに保たれるおだしとおろし生姜で、冷えかたまった体が内側からじわーっと解れていきます。あぁ、幸せ〜。

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うどんが見えないほどたっぷりのせられているのは九条ねぎ。京都在住ならスーパーで日常買いする青ねぎですが、東京なら高級食料品店で販売される京野菜のひとつです。

その九条ねぎが、奥深いおだしとともに味わえるのですから、他府県の方が「並んででも食べたい」というのも頷けます。

九条ねぎには血行を良くして体をあたためる効果や消化を促す作用があるので寒い季節にもぴったりです。

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現在、京都府が定める「京の伝統野菜」と、外郭団体が認証する「ブランド京野菜」の両方に選ばれている野菜は15品目あります。
伏見とうがらし
万願寺とうがらし
賀茂なす
京 山科なす
鹿ヶ谷かぼちゃ
京たけのこ
聖護院だいこん
くわい
花菜
堀川ごぼう
聖護院かぶ
えびいも
みず菜
壬生菜
九条ねぎ

こうしてみると、九条ねぎもそうですが、京野菜は大きく育っているものが多いように思います。

京都は四季の移り変わりがはっきりとし、昼夜の温度差が大きく、また地下水をたっぷり蓄えた土壌は、京野菜を育てるのに最適な環境なのです。

祇園からほど近い高島屋では、地下の生鮮コーナーで販売しているものもあるので、京野菜を買って帰りたいという方はぜひ立ち寄ってみてください。

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こちらの萬屋の夏は冷たい納豆うどんが人気。もちろん丼もあります。

メニューを見ると人の名前のようなものが並んでいることに気づくでしょう。
「かほ」は女優の南果歩さんのご提案による、ねぎうどん+梅干・とろろ昆布入り。そして、ねぎうどん+梅干・生姜入りの「マリ」は夏木マリさん、にしんを追加した「もみじ」は山村紅葉さんのご提案によります。

祇園にはほかにも、天ぷらカレーうどんが人気の味味香、チーズカレーうどんのおかる、にしんそば発祥の松葉などなど、わざわざ行きたくなる昔ながらの名店がたくさんあります。

冬の観光中に暖を取ったり、やさしい食事でお腹を休めたいときには、懐かしい雰囲気と京都のおだしを味わいに訪れてくださいね。

祗をん 萬屋(よろずや)

京都市東山区花見小路四条下ル二筋目西入ル小松町555-1
075-551-3409
不定休

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